
セントレジス(St. Regis)は多くのホテルブランドを傘下に収めるスターウッド・ホテルグループの最高級ブランドである。1号店は1904年ニューヨークに誕生し、今なおアメリカを代表するホテルとされている。セントレジス大阪は日本進出の1号店として2010年10月に誕生した。2012年現在、まだ2年に満たない新しいホテルである。大阪市の中心部に位置し交通の便も良いことから今回大阪滞在の宿に考えた。
公式ホテルサイトや一休.comなどでプランと料金を検討した結果、今回は一休に軍配を揚げた。グランドデラックスルーム ¥31,000。チェックイン時は荷物があるため新大阪駅からタクシーを使ったが、ホテルを拠点としての市内の移動には地下鉄が便利だ。地下鉄御堂筋線「本町駅」に直結しており、エスカレーターで快適にアクセスできる。この交通の利便性はリッツカールトン大阪など他の高級ホテルに勝っている。
最近の都市型高級ホテルによくある造りだが、ビルの高層階部分がホテルとなっている。1Fにベルデスクがあり、そこからエレベーターで12Fのフロントへ。もちろん荷物はタクシーからベルマンへ渡され部屋に運ばれる。チェックインカウンターのデスクは2台。着席しての応対には優雅さがある。

エレベーターからフロントまでの通路。重厚な石造りの壁と床。天井が高い。装飾はクラシックだがシンプル。華麗さは少ないが重厚で上品である。

12Fのロビーフロアーの外には石庭が広がる。
今回の部屋は22階。女性バトラーに導かれて、エレベーターホールから続く厚い絨毯を歩き部屋に入る。

グランドデラックスルームは通常のゲストルームの上位カテゴリー。51m²、ダブルベッド幅 200cm × 長さ 203cm 。柔らかく寝心地の良いベッドだ。ドア側のエリアに、クローゼット、トイレ、洗面所、バスルームが配され、窓側のベッドルームと隔てられている。シンプルで機能的な間取りだ。ベッドの向こう側に見えている金色の家具にはミニバーが入っている。金色の部分はなんと、金箔である。ではこの家具を開けてみよう。

冷蔵庫などお決まりのもの以外に、ネスプレッソマシーンとサービスのネスプレッソカプセルが備えられている。

クローゼットにはキャリーバッグ2個が余裕で入る。セーフティーボックスもこの中にある。衣装を掛けるスペースがもう少し欲しいところだ。

ダブルベイシンの洗面室。黒い大理石の重厚な造り。

黒漆のケースに入った洗面アメニティ−。中身は普通。

ガラス扉で仕切られた、石造りの重厚なバスルーム。

高級ホテルお馴染みの、バスルームテレビが格納されている。

アメニティーはフランス製のコスメブランド「ソティス」。

シャワーヘッドは大きく、もちろんマッサージ機能付き。しかし特筆すべきは…

壁に埋め込まれた4つのボディーシャワーヘッド。角度を変えることで全身を洗うことができる。使い勝手が良いとは言えないが贅沢であるし、デザイン的に面白い。ドイツのブランド、AXORの製品のようだ。

机の上板を開けるとドレッサーになる。インターネット接続は有料で、1日1900円は高い。

大型液晶テレビが格納されている。

電動カーテンを開けると、重厚なコンクリート壁の向こうに広々とした眺望が広がる。


部屋のあちこちに陶器やガラスの置物が飾られている。ちなみに固定されていて持ち上げることはできない(そこが俵屋と違うところ)。

バトラーがウェルカムティーを持ってくる。これはブルーベリーのドリンク。翌朝のコーヒーなどもコールすれば無料で持ってきてくれるらしい(ネスプレッソがあるので利用しなかったが)。服のプレスサービスもあるというので頼んでみた。1時間で仕上げてくれるようにリクエストした。

できあがった服はドアの横にあるバトラーボックスに返却された。
レストランはフランス人シェフのフレンチと日本人シェフのイタリアンがあり、イタリアンがロビー階に、フレンチは1階に位置し、イタリアンの方がやや高級。イタリアンは当日予約が取れなかったためフレンチにしたが、カジュアルだが本格的コース料理で、まあまあ楽しめた。

フレンチレストラン「ル・ドール」。比較的若い女性客が目立つ。大きな窓が路面に面しているため、照明は暗くとも明るい雰囲気だ。









総評)
バトラーサービスはNYのセントレジス1号店が世界で初めて始めたもので、セントレジスの代名詞になっている。しかし、今回の大阪のバトラーは若い女性達で、愛想は良いものの、ちんぷんかんぷんな行動もあり、洗練されていない。普通のルームサービスと何ら変わらないという印象を持った。高級ホテルのフリをしてもまだまだなのだ。しかしベルマンなどは気が利くし親切だ。部屋はかなり良い。アクセスは抜群。そういうわけで総合的に見ればかなり良いホテルと言えよう。

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