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放蕩記

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歌劇「オテロ」/ フェニーチェ歌劇場日本公演2013

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オテロ1 オテロ2

ェニーチェ歌劇場はヴェネチアにある由緒正しいオペラ劇場です。フェニーチェとは英語でフェニックス(不死鳥)の意味。220年ほどの歴史の中で2回も全焼しましたがその都度再建され、まさに不死鳥という名にふさわしい劇場です。

歌劇「オテロ(オセロ)」はシェイクスピアの原作を元にヴェルディが作曲しました。巨匠ヴェルディの晩年の作で、かなりの代表作のようです。今回のフェニーチェのバージョンは、ヴェルディ生誕200周年を記念して昨年11月にヴェネチアで上演されたもので、早くも今年、大阪、名古屋、東京で公演されるというものです。

ストーリーはと言うと、オペラの題材になりやすい大げさで単純な話。人間の本性をデフォルメして描いたものです。

時は15世紀頃。当時のヴェネチアは今のようなイタリアの1都市ではなく、隆盛を誇った一つの国家。イスラム国家であるオスマン帝国との間で地中海の島国、キプロスの争奪戦を繰り広げていました。アフリカの黒人のムーア人であるオテロは、ヴェネチアの下層階級の兵士から、人種差別をもろともせず将軍にまで成り上がった人物。ヴェネチアの白人貴族の娘で美貌のデスデーモナと駆け落ち同然で結婚しています。そのオテロが総統としてキプロスに赴任するところからオペラは始まります。オテロにはヤーゴという第一の部下がいたのですが、オテロはヤーゴをNo3にして代わりにカッシオというもう一人の部下の方をNo2であるところの副官に任命します。これにぶち切れたヤーゴがカッシオとオテロに復讐を企てます。まずはカッシオを泥酔させて騒ぎを起こさせ、これに激怒したオテロによってカッシオは解任となります。落ち込むカッシオにヤーゴは「オテロはデスデーモナにぞっこんなので、デスデーモナに頼んで、オテロに許してもらえばよい」とそそのかします。カッシオがデスデーモナのところに行ったのを見計らって、ヤーゴはオテロに「カッシオとデスデーモナが不倫をしている」と吹聴します。さらにデスデーモナのハンカチを盗んで、それをカッシオの家に置いておくことで不倫の証拠とします。これを真に受けて激怒したオテロはデスデーモナを殺します。その後で事情を知るヤーゴの妻からすべてがヤーゴの企みであることを知らされ、絶望したオテロは自害します。

とまあこんな話。どうです、突っ込みどころ満載でしょ。でもまあ、考えてみれば分からんでもないです。だいたい白人の自分らより劣った民族のムーア人が、権力の中枢に上り詰めて、さらに白人の貴族の絶世の美女を妻にめとり、そんな奴の手下として尽くした自分をさしおいて別の者を出世させるなんて、許せん! というヤーゴの気持ちもありがちなことですね。案外深い。さすがシェイクスピア。

しかしこんな単純な話なので、イタリア語が分からなくても(日本語字幕を見なくても)楽しめます(ときどきは字幕を見てしまいますけどね)。全4幕。途中25分の休憩を入れて3時間の上演です。

愛知県芸術劇場大ホールはオペラ用の大きなホールなので、とにかく前の方で見ないと、ということでがんばって取ったのですがまあまあの場所でした。S席一人45,000円。オペラは高いですわ。この値段ですし、オペラって事で、客の年齢層は高い高い。一回座ったら立ち上がるのが面倒だろう、という年齢の方が大勢いらっしゃるので、最後のカーテンコールでもほとんど立ち上がらず、演者の方達もがっかりしたことでしょう。立ち上がって「ブラボー」というのがちょっと恥ずかしいという民族のしかもご高齢なのでお許し願いたい。

オテロ役(テノール)を務めるのはグレゴリー・クンデ。華麗な歌い手としてのベル・カントというカテゴリーに属するテノール歌手だそうで、華麗さよりも力強さが重視された従来のオテロのイメージを変えたと言われています。

デスデーモナ役(ソプラノ)はリア・クロチェット。メトロポリタンオペラなどのコンテストでもタイトルを取るなどした若手のスターだそうです。正統的なソプラノって感じがしました。しかし、オペラ歌手だからしょうがないのかもしれませんが、あの太り方はなんとかなりませんかね。可憐で儚い絶世の美女役なのですが、どうしたって、どの登場人物よりもたくましくて強そうなんですから!

ヤーゴ役(バリトン)はルーチョ・ガッロ。ようするに悪役なんですが、その割には地味な感じです。

オーケストラの指揮はチョン・ミョンフン。かなり著名な方のようです。

ともかく、オーケストラの音も良いし、それに負けない声量というのはさすがにオペラだなと思いました。またヴェネチアの古い絵から取ったという星座の絵が赤や青の神秘的な色合いでステージ全体に映し出されたり、青い壁が回転すると、オテロとデスデーモナの光り輝く黄金の部屋が現れるなど、美しい舞台装置にも見入りました。

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