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放蕩記

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Orval / ベルギービール

Category - 食あれこれ
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ルヴァルは世界最高のビールの一つと言われています。そもそもビールと言えば多くの日本人は日本で普通に飲まれているビールを思い浮かべるでしょう。たまにレストランで外国のビールを注文しても、日本で飲まれているビールと大差のないタイプのビールを選んで「ビールというものはこういうものだ」と納得したり安心したりします。でも世の中はしばしばそういう方が思っているよりも広く、多様なものです。

ビールをざっくり2種類に大別すると「ラガー」と「エール」になります。ラガーはキリンのラガーだけのものではありません。アサヒもキリンもサッポロもサントリーもバドワイザーもハイネケンも多くのドイツビールもラガーです。ラガーは低温発酵、下面発酵、しばしばゴールド色で、冷やして飲むと爽やかなビール。エールはイギリスやベルギーで多く造られ、高温発酵、上面発酵、しばしば濃い色で香りが強くアルコール度数は高めで、冷やしすぎないのがよろしい。歴史的にはエールの方が遥かに古く、生産量は圧倒的にラガーが多い。ラガーは大量生産、大量消費に向いているビール。エールはワインやウイスキーのようにちびちびやるのが向いているとも言えます。

そんなエール系のビールには「トラピストビール」という特権階級が存在します。世界で6ヶ所(7ヶ所という説もある)の修道院醸造所で製造されたビールだけがトラピストを名乗ることが許されます。その6ヶ所はベルギーにあります。オルヴァル、シメイ、ロシュフォール、ウエストマール、ウエストフレテレン、アヘルがそれです。それら銘柄はどれも一癖のある強者揃いですが、中でもオルヴァルは特異。通常同じ銘柄のビールでもアルコール度数の異なる数種類のバリエーションがあるものですが、オルヴァルだけはただ一種類だけ。ボトルの形状もボーリングピンのようで変わっています。アルコール度数は飲みやすい6.2%。トラピストでは低めの度数ですが、その味は独特。フルーティーでホップの効いた香り、うっすらとした苦みとスパイシーさ、ドライな舌触りなど複雑な味わいで、一度飲んだら次は目隠ししても当てることができるに違いありません。

ラガー系のビールは新鮮が一番。数ヶ月で不味くなることは皆さん経験済みでしょうが、ベルギービールの驚くべき特徴の一つは、酵母が生きているためボトルの中で熟成され続けることです。長期に保存することで味わいが変容していき、その時々で違った味を楽しめるのです。まるでワインですね。かつて私はベルギービールバーで5年物のトラピストを飲み、その味の違いに驚かされ、その頃購入した数本のトラピストを保管しておきました。

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このオルヴァルのラベルをご覧ください。Bottled on 10.03.2005、2005年3月10日。5年以上経っています! その下の2010年3月10日は、書かなければならない決まりなので取りあえず書かれた賞味年月日。ボトルコディションされたビールに真の賞味年月日はありません。ワインに無いのと同じです。とは言うものの、その年月日を超えたので飲み頃でしょう。ということで、冷蔵庫の中の日本製のラガー系缶ビールが切れていたこともあり、本日ご開栓することとしました。5年もの間ごくろうさま。

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ベルギービールのもう一つの楽しみに、銘柄ごとのグラスというものがありますが、この特別なオルヴァルはもちろん専用グラスに注ぎます。5年経っている割には泡立ちも良く、オルヴァルらしいオレンジ色もあまり差がないように思いましたが、ねっとりとしたオルヴァル香がやや薄くなり、味わいはよりドライで爽やかになっていました。熟成させて味の違いを楽しむ、そんな高級ワイン並みの楽しみを安い値段で実現できるのがベルギービールの素敵なところ。ただし5年間、飲まずに我慢する根気が必要ですが。さあ、またそのうちに次の5年のために買いに行きましょう。


価 格:630円
満足度:星3

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